トップセールスを人生で初めてとったときに率直に思ったこと
こんにちは。kaakikoです。
私は、都内のベンチャー企業で営業を7年近くやっています。
入社当時から営業ができなくて、成績はずっとビリっけつでした。
その一方で、自分よりも年下の後輩がトップをとる光景を、合計で40回以上も見てきました。
そしてそのたびに、自分の無力さを嘆いて落ち込みました。
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会社に入ってからはより一層、優秀な後輩や先輩を見るたびに、自分の至らなさを痛いほど感じて落ち込んだりしました。
営業で商談が反故になると、上司から厳しく「もっとしっかりやってよ」と言われるのですが、それを聴くたびに自分がほんとうにだめな人間なんだとみじめな気持ちになってしまう。
自分が入社以来一度も取ったことない成績やMVPタイトルを後輩がどんどんとっているのをみて、じくじくと心が痛んで素直に喜べない・・・。そのような悩みを抱えていました。
営業職は、結局のところ「営業結果」が命です。
自分自身の拠り所の核は数字ですし、周囲からの信頼に大きな影響を与える要素もやっぱり数字です。契約数ゼロの社員を会社に置くくらいだったら、ぬいぐるみを置く方がマシともいわれます。なぜか?人件費がかからないからです…。
そういう世界なので、当然成績を出していないと、自分に対してもどんどん卑屈になるし、自信もなくしていきました。 転職しようかと、何度も考えたことがあります。
その私が、このたび社内営業部でトップセールス(月間MVP)をとりました。営業を始めてはや7年、人生初の出来事です。
当時の私は「トップセールスをとったら自信をもてるようになる!」と信じていました。しかし実際のところは、結果によって何かが変わるというよりも、むしろそういった結果を追求するなかで、いつの間にか仕事に対する向き合い方が変わってきたように思います。
今日はそれを紹介していきたいと思います。
- 出した結果と自信の大きさはあまり関係ない
- 周りを見ずに、自分の成果だけに没頭することこそが勝負強さ
- 目指すべきは「トップをとる」ことではなく「人間力を上げる」こと
- 1円の重みを理解し、1円でも多くの売上を上げることにこだわる
- まとめ:仕事はやっぱり面白い
出した結果と自信の大きさはあまり関係ない
私が「売れない営業」をしていたときは、「トップセールスをとったらきっと、自分に自信がもてるようになる」と期待していました。
実際はどうだったかというと、「自信の大きさは、ぶっちゃけ結果と大して関係ない」ということだけでした。
トップセールスをとった今でも、正直言って他人に嫉妬することもゼロではないし、褒め言葉を素直に受け止めきれていないところもたくさんあります。そのあたりの自信の無さは、トップをとる前と何も変わっていません。
もちろん、多少は影響があるのかもしれませんが、自信をつけるうえでトップセールスという結果はあまり大きな拠り所になっていないことが分りました。
私に限らず多くの方は、「○○(結果)を得られたら幸せになる!」という考え方をしている人も多いのではないでしょうか。
「お金もあって優しい旦那と結婚できたら、自分は幸せになれる」「もっと給料をもらえたら、やる気が高まる」「もっと尊敬できる上司がいたら、仕事にもやりがいもてる」とか。
確かにその一面もあるとは思います。
しかし、「何かを得られたら幸せになる」ということは、逆を言えば「何かを失えば不幸になる」ということを意味しています。つまり、自分以外の何かに感情が依存しているということです。
したがって、ある特定の結果が幸せな感情をもたらしてくれると期待するよりも、今置かれた状況がなんであれ、どうにかして幸せに結びつける方が得策です。そのほうがやる気が高まって、努力しつづけられるようになるんじゃないかな、と思います。
周りを見ずに、自分の成果だけに没頭することこそが勝負強さ
トップセールスをとった9月の商談を振り返ってみると、他人と競うよりも、単純に全力で1人1人の お客様と向き合っていました。話すときの1語1語、一挙手一投足にエネルギーを込めるようにしました。
例えば、お客様と話がかみ合わなくてギクシャクしても、心が折れそうになりましたが全力で軌道修正しました。腑に落ちていない表情をしていたら、無視することなく必ず立ち止まってその場で解消させました。
また、ただの「ご説明」にならないように毎回楽しそうに話をしましたし、お客様が話をするたびによく笑って、明るい雰囲気づくりを心がけました。
ひとつひとつはごく当たり前のことですが、それを毎回エネルギー値高く実行していたなあという実感があります。
営業に限らず、仕事をしていると、人間関係に振り回されて実力を発揮しきれないことは一般的に珍しくないと思います。たとえば「上司や後輩にどう見られているのか」周りのと評価を気にしていたり、「相手と自分のどちらが上か」などと優劣をはかっていたり。
そういうときこそ、他人の結果や評価を見るのではなく、自分がやるべきことだけを見て没頭していくことがかなり重要だと思います。
自分がどういう行動をとれば、目の前のお客様にもっと喜んでもらえるのか。プロ意識は、たぶんその問いから生まれてくるように思いますし、そこに注力していけば実力もフルに発揮できるように思います。
目指すべきは「トップをとる」ことではなく「人間力を上げる」こと
トップセールスという結果は水物です。 半年1年間連続してとれば実力ともいえるのでしょうが、1ヶ月間であれば正直なところ、実力以外の要素がかなり大きく影響しています。
たとえば、そのときの精神状態やお客様のニーズ、商品自体の魅力、さらにいえば他人の成績状況というのも、成果に及ぼす大きな因子です。
そしてこれらのうち大半は、営業マン自身がコントロールできる要素ではありません。
したがって、 営業をする者が心がけるべきことは、結果に振り回されないようにすることだと思います。
営業していると、トップセールスをとるという結果を目標にする人もたまにいますが、それだと常に自分にとってコントロール範囲外のものに振り回されることになりますので、あまりお勧めできません。
それよりも、自分自身の人間力を上げることに集中したほうが良い仕事ができると思います。
人間力というのは、たとえば「相手にNOを言われても引かない打たれ強さ」「自分を律する心」「常にポジティブな側面をみる視点」「他人に対して献身的に接する態度」といったような、その人から滲み出る資質です。
これらは、自己啓発本を読んだり資格をとったら得られるものではないし、ましてやお金を出せば買えるものでもありません。すべて仕事経験を通じて涵養されるものです。
つまり、仕事で得られる最大の報酬とは人間力であるといえます。
したがって、仕事するときも、トップをとるなどの結果にこだわりすぎず、自分自身の人間力を上げるために仕事することが重要です。
1円の重みを理解し、1円でも多くの売上を上げることにこだわる
私がトップセールスをとったときは、他に2名の営業マンと成績を争っていました。成約件数はその2名と同じでしたが、私の方が単価が高かったため売上高も高く、結果的に数十万の僅差をつけてトップをとりました。
逆を言えば、もし私が単価を数十万円落としていたら、順位が逆転してトップはとれなかったということでもあります。
私の会社では先月のトップセールスが全社員の前でスピーチすることになっていますが、私の成績は2位3位と僅差だったため、トップが確定してからスピーチをするまでの3日間は特に、ずっと緊張しっぱなしでした。
あの一言は余計だったかもしれない、もしかしたらお客様から雑に見えたかもしれない、かえって不安にさせているかもしれない…と、過去の商談を思い返しては思い悩んでいました。
営業に「絶対」というものはないので、「もしかしたら契約したお客様からキャンセルが来るかもしれない」という猛烈な不安に襲われていました。
結果的に何もなく無事に時間が過ぎましたが、あの3日間はこれまでの営業人生の中でも段違いに、1円がもつ重みをひしひしと感じていました。
1円をないがしろにするものは、1円で泣くことになる。トップセールスをとった経験を通じて強く実感しています。
まとめ:仕事はやっぱり面白い
今回は、営業人生の一つの節目として、トップセールスをとった経験と、それによって感じたことをまとめました。もちろん自分もまだ未熟者ですので、ここから先にきっと手痛い失敗をするんじゃないかな、と今から心づもりをしています。
とはいえ、今回の経験は私に様々なことを教えてくれましたし、私を指導してくださった上司や先輩に一つの恩返しができたとも思います。あのとき、転職して逃げなくて本当によかった。
嫌なことでも、必死にやるべきことをやればお金以上に重要なものを得られるのが仕事です。そう考えると、やっぱり仕事は面白いと私は思います。これからも頑張っていきたいと思います。