ココカラゲンキ!

20代営業ウーマン。仕事スキル、生産性向上、営業・コミュニケーションのコツ、仕事観など役に立つ情報をお届けします。

ココカラゲンキ!

優秀な部下になるために、いますぐ読んでほしい「世界基準の上司」

みなさんこんにちは、kaakikoです。

 

みなさんは、日々会社の現場で活躍されていることだと思いますが、皆さんの周りに、優秀だと思える同僚や先輩、あるいは後輩はいますか?

 

優秀な社員ってどんな人?と考えると、

  • 生産性が高い
  • 専門知識が豊富
  • 素直で成長が速い
  • 対人関係が良好

など、様々な答えが出てくると思います。

どれも一つの側面ではありますが、本質的ではないように思います。

デキる部下になるうえで最も重要なのは、「上司の視点でものを考えられるかどうか」ということではないでしょうか。

 

会社と雇用契約を結んでいる限り、私たちの上には常に上司がいて、その上司から成長目標や役割・責任を与えられますし、人事評価も下されます。

そのため、いかに上司視点で仕事ができるかどうかが、今後の仕事人生を左右するといっても過言ではありません。

 

なので、今回は赤羽雄二氏著の「世界基準の上司」から、優秀な部下として最大限成長するためのヒントを抜粋して紹介していきたいと思います。

 

 

「世界基準の上司」は上司視点で仕事するためのマニュアル書

f:id:kaakiko:20180611154516j:plain

個人的には、この本は上司視点で仕事するため明快なマニュアルだなという印象を持ちました。カバーにも「毎年成長を実現し、人材を100%活用する組織をつくるために、すべての上司が知っておきたい大原則を伝授!」とあります。

 

気になる中身ですが、

  • 上司としてやってはいけないこと
  • 上司がもつべき根本的考え方
  • 部下への接し方(協力関係の構築・指示の出し方・育成方法)
  • チームの成果を最大化する方法

など、実に赤羽さんらしく具体的に記載されています。

組織マネジメント論の分野ではドラッカーなどの名著が多数存在しますが、読者が行動に落とし込めるように徹底的に噛み砕いている本は他に例を見ません。

 

一見すると上司という立場にいる人向けの本ですが、実は成長したい部下こそ読むものだと思います。 そのメリットは、大きく3つあります。

  1. 上司が求めていることを深く理解し、仕事の質を向上させることができる
  2. 上司の役割を理解することで、今自分が現場で身につけているスキルが、将来上司になったときにどう活かせるのかイメージが持てるようになる。その結果、目の前の仕事に対するモチベーションが上がる
  3. 将来上司になってもスムーズに成果を出せるよう、今から準備すべきことが理解できる
 

部下の存在意義は、上司の仲間として一緒に会社の利益を最大化すること

f:id:kaakiko:20180611154537j:plain

上司視点で仕事ができる部下とはどういう人でしょうか?

上司が置かれている立場を、赤羽さんは次のように解説しています。

上司は組織リーダーとして、その組織に関するすべての責任を持つ。部下は当然、指示された業務に対し責任を持つ。自分の業務に全力投球をして、期待された成果を出せるように尽くす。

(略)

世界基準で活躍する上司は、全社方針を理解したうえで、常に自部門の必達目標、目標達成のための施策、取り組み方針、投入資源の考え方等を明確に打ち出し、部門の成果最大化する。

つまり、シンプルに言うと、上司は「会社を勝たせる」ためにいるということですね。

そのうえで、部下の役割は次のように定義されています。

部下は、上司が最大の成果を出すために、一緒に業務を遂行する仲間として存在する。必要がなければ1人でやればいい。ただ、1人でできることには限界があるので、普通は2人以上、数人から、数十人、数百人の部下を持つ。そこで上司と部下の関係が生まれる。部下は上司であるリーダーが示すビジョンと実現の方向性に対して、納得し、自分の役割を果たして貢献する。

 上司1人では目標達成できないから部下が存在する。つまり、部下はただ上司から言われた指示をこなす人ではなく、上司と一緒に会社を大きくする存在ということです。

なので、上司にとって有益な人は、自分が負っている組織全体に対しての責任を一緒に担ってくれる人です。

 

私たち部下は、ややもすると「上司から仕事を振られたので一生懸命こなす」というように、ただ目の前の仕事だけを見てしまいがちです。

そして、自分が行っている仕事が会社にどんな影響を与えるのか、また自分が今どんな役割を果たせば会社に最大限の貢献ができるのか、あまり考える機会がないように思います。

また、自分以外の人たちのやり取りが今どう進んでいるのか、そこまでアンテナを張っている人も、あまり多くないのではないでしょうか。

 

だからこそ、上司と同じ全社視点・組織視点を持つ部下は、上司から非常に頼りにされ信頼されるようになります。

 

実際kaakikoの会社で売上数字が伸びていたり、若くしてプレイングマネージャー業務を任される現場社員は、例えば、

  • 個人の売上目標を考えるときに、自分が達成すべき目標を組織全体の目標からブレークダウンしてとらえていたり、

「今月は部全体で○円の売上が必要で、そのうち自分のチームは今月の目標達成まであと△円必要。となると、今週はチーム全体でX円達成しないといけないから、自分は今週ここからプラスXX円書こう」

  • 上司と同じ目線のビジョンを持っていたり、

「今年の抱負は、営業所長と一緒に地方営業所を大きくしていくこと」

  • 目先だけではなく長期的に会社に利益をもたらす方法を考えていたりしています。

「うちの会社の公式facebookページを活用して、新規顧客を長期的にプールする仕組みを作りましょう!彼らは長い目でみると会社のファンになってくれるので、逃すのはもったいないです」

 

なので、仕事をただ上司に言われた通りにこなすだけではなく、

  • この業務が会社にどういうインパクトを与えるのか?
  • 将来的に何につながるのか?
  • どうすればチームの業績を最大化できるか?
  • そのために、自分は今を期待されているのか?
  • もし自分だったらどう対応するか?

など、上司の視点に立って、広く長い視点で仕事を捉えなおす習慣をつけていきましょう。

 

部下のうちから習慣にしたい「アウトプットイメージ作成アプローチ」

f:id:kaakiko:20180611154946j:plain

上司が部下に仕事を依頼するうえですべきことは、「手本を見せてやらせてみせて、不足しているところはフォローする」ことです。

そのときに、部下の成長と生産性を両立させる鍵が「アウトプットイメージ作成アプローチ」です。

管理職に必須のスキルなのですが、高度な即決即断力や思考力が必要なため、身につけているかどうかはかなり個人差があります。

なので、私たちが部下のうちから習慣にしておくと、上司から非常に重宝されるようになります。

 

 アウトプットイメージ作成アプローチは主に資料作成で効果を発揮する取り組み方法です。本書では以下のように説明されています。

25ページほどの企画書であれば、上司自身が表紙、目次、各ページ(メッセージと、下に何を書くか)を30分程度でざっと書き、ページも振って、極力完成形に近いイメージにする。中はすかすかでも全くかまわない。ただし、章構成、ページ数、ページ配分、ページごとのメッセージ等はきっちり書く。

(略)

着手から締切までの間、頻繁に進捗を確認する。2週間であれば、7~10回程度は確認するイメージだ。

(略)

アウトプットイメージ作成アプローチの大きな特徴は、頻繁にチェックした際、できていないところ、部下がどうしてもうまくまとめられないところ、部下の視点が欠けているところは上司が代わりに補うことだ。それも口頭ではなく、抜けているページにどういうフレームワークを書くのか、どのように分析するのか、どういうメッセージを書くのか、部下の目の前で書き、仕上げていく。

 

自分でこのアプローチを試すと分りますが、非常に頭を使います。

 なぜならば、部下が分析作業を始める前にメッセージを書くので、上司自身がテーマに対する関連知識を普段からしっかり収集しておく必要があります。

また、あらゆる論点を考慮し、漏れやダブりなく目的に適った最終形をスピーディに作る必要がありますので、即決即断力が必要です。

さらにいうと、自分の頭の中で分かっているだけでは不十分で、部下が見ても理解し納得できるように思考過程を明示することが必要です。

 

 なので、今部下の立場にいるうちからアウトプットイメージ作成アプローチに慣れておくと、自分の能力がかなりストレッチされます。

アウトプットイメージを明確に示す習慣のない上司に対してこのアプローチを使うと、上司の意図を速くつかめるので、短時間で高品質な仕事をこなすことができるようになります。

また、いざ上司になったときにスムーズに部下を指導できるでしょう。

 

★アウトプットイメージ作成アプローチについては、こちらの記事も併せてご覧下さい。




部下のうちから習慣にしたい「ポジティブフィードバック」

f:id:kaakiko:20180611155009j:plain

アウトプットイメージ作成アプローチと並んで、もう一つ部下のうちから慣れておきたいスキルは、「ポジティブフィードバック」です。

人をやる気にさせるのが上手い人は、総じてポジティブフィードバックが得意です。

 ポジティブフィードバックとは、コミュニケ―ションの際にポジティブなメッセージを伝えること、すなわち、ほめたり、ねぎらったり、感謝したりすることだ。

一言で言えば、すべての発言を前向きにする。そうすると、チームの雰囲気が非常に明るくなる。

(略)

よい結果に対してほめることはもちろんだが、結果が今一つとか、全くだめでも、次はがんばろうという気持ちになれるよう、感謝し、ねぎらい、次につながるアドバイスをする。それが上司としての価値であり、確実に自分のためにもなる。

(略)

よい結果に対してすごくほめることはもちろん、小さなこと、ちょっとしたことでも、よいことに対しては躊躇なくほめる。

 

確かに私がとても尊敬する上司は、些細な変化にもよく気づいたり、褒めていたりします。

たとえば、新しいシャツを着て出社した時に「シャツ新しくなった?似合ってるね!」と言ってくれたり、仕事をさりげなく手伝ったときに必ず「ありがとう!助かったわ~」と労いの言葉を述べています。

一つ一つの声かけは本当に些細なものですが、こういった小さなポジティブコミュニケーションを積み重ねているので、非常に相談しやすいですし本音も気兼ねなく言えます。仮に強く言われてムッとしても、その場で本音をぶつけあってわだかまりを解消しているのであまりストレスを感じません。

なので、仕事するときも「この人のために頑張ろう」と自然に思えて、ふつふつとエネルギーが沸いてきます。もしこの上司と出会ってなかったら、おそらく過度なストレスで潰れていたと思います。

 

褒めることは人材育成における最重要スキルですが、多くの方は、会社や学校で物事をポジティブに見る訓練を受けていません。なので、人に対して安易に愚痴を吐いたり、人の短所を見て嫌いになったり、自分の短所を見て劣等感を感じてしまったりします。

逆を言えば、人を褒めて認めることができる人は、非常に希少な存在なのです。

 だからこそ、優秀な部下に成長していくために、ポジティブフィードバックをマスターして自分のものにしていきましょう。

 

まとめ:日本を変えるにはまず組織のトップから改革する

仕事をするときは、よく「一段上の視点から考えよ」と言いますが、「世界基準の上司」では、その具体的行動が明確に示されています。

また、これまで赤羽さんが別の著書で述べていたメッセージ(ゼロ秒思考メモを書く、普段から情報収集する、全体観をもって即決即断する等)は、おそらく全てこの本につながっているのではないかと思います。

日本を元気にするために、まずは組織のトップが意識改革をしていかなければいけない。そういうメッセージが表現の端々から感じられる良書です。

是非、今はまだ上司ではない方も、成長を加速させるために読んでみてくださいね!