話が理解できないと感じてしまう原因を全部挙げてみた【メンタル編】
【この記事を読んでもらいたい人】
- 会議で相手の発言を理解できず、だんだん進行についていけなくなる
- つい上司からの指示を聞き間違えたり早とちりしてしまう
- 複数人での雑談になると話が頭に入ってこないと感じる
- 「話の何が理解できていないのか」が分からない
- 上記のことが続いた結果、ひそかに自分に劣等感をもちはじめている
こんにちは。kaakikoです。
仕事をしていて、「相手の話が理解できない」と思ったことはありませんか?
プレゼンや会議の席、営業職であればヒアリングの段階で、相手の話をひたすら聞いて理解することがが求められますよね。
話を理解できないと、「私ってADHDかも?」「認知症かも?」など「普通の人よりも劣ってるんじゃないか」と不安になりがちですが、理解力の高さと頭の良しあしは、ハッキリ言うと、全く関係ありません。
ひとくちに「理解できない」と言っても、そこには様々な原因があります。
その原因を排除・軽減すれば、間違いなく今よりも格段に理解力を高めることができます。
そこで今回は、理解力を高める第1歩として、理解できないと感じるそもそもの原因10個を見ていきましょう。
なお、解決法については、また別の記事で取り上げたいと思います。
「理解できない」と感じる10の原因
まずは、話が理解できないと感じる原因の全体像をみていきましょう。
「精神状態(メンタル)」「思考力」「体力」という3つの切り口で説明していきます。
長いので、今回はメンタルの箇所だけ取り上げます。
原因1.自分の思い込みに気づけていない
人の話を理解するにあたってまず前提となるのは、
「私たちは物事をありのままに見ているわけではなく、脳内フィルターを通して『自分が意識を向けていること』を見ているにすぎない」
という事実です。
私たちの脳には網様体賦活系(RAS)という、情報処理をするためのフィルターが存在します。そのフィルターを通して『必要』と判断された情報のみが脳内に残り、『不要』と判断された情報は意識に上らず排除されていきます。
例えば、以下の写真を見たとしましょう。30秒間ながめてください。
30秒経ちましたか。
さて質問ですが、椅子は何脚ありましたか?
…と言われて即答できるでしょうか。多分難しいと思います。
なぜならば、椅子に注意を払いながら観ていなかったからですね。
逆に、仮に事前に質問を知っていれば、写真を見ているときに自然と椅子を探そうとしたはずです。その結果、「あ、ここに椅子がある」という気づきを得ることができ、全く違う見え方になったかと思います。
このようにして、私たちの脳は情報を選別しながら処理しています。
これが「思い込み」の正体です。
私たちが人の話を聴くときに、自分にとって馴染みのある話だったり、相手に対して嫌悪感をもっていたりすると「どうせ〇〇でしょ」と決めつけてしまうことがあります。
このような偏った思考のまま話を聴いても、当たり前ですが言わんとしていることを的確に理解することはできません。
ただし、思い込みは脳の構造の問題なので、ゼロにすることはできません。
重要な点は「自分が今思い込んでいる、思考が偏っている」ことに気づくことです。
気づくことにより、より客観的に自分の思考をコントロールすることができます。
原因2.そもそも理解しようとしていない
ここには3つの意味を込めています。
- 自分には理解できない、と諦めている
- 自分には関係ない話である、と無関心になっている
- この人の話は聞きたくない、と相手を拒絶している
特に、複数人の雑談についていけないときによくみられるパターンです。
理解力以前に、理解しようとする態度が形成されていないという問題です。
私が勤めているビジネスコミュニケーションスクールの受講生からもよく聞く話なのですが、雑談のときに自分が知らない話になると、どう話を聴けばいいか分からなくなることがありますよね。その場合は、まず自分が「話を理解しようとしているか」を疑いましょう。
「理解しよう」と本音では思っていないものは、当然理解できません。
この態度形成については、また追って掘り下げていきたいと思います。
原因3.心の余裕がない
ここでは、2つの意味を込めています。
- 相手に対して強いネガティブ感情を持っている(萎縮・嫉妬・不満など)
- 別のことに気を取られている
2つに分けましたが、どちらも本質的には「感情をコントロールできていないこと」ということになります。
まず1についてですが、そもそも感情というものは、偏桃体という原始的な脳がつかさどっており、いわば「生きるための生存本能」です。
「扁桃体は、何かを見たり聞いたりしたとき、それが生存に関わる重大なものであるかを一瞬のうちに評価します。」
(略)
例えば、ふと目の前に、ヘビのようなものが見えたとする。「ヘビだ」と意識が気づくより早く、映像が目に飛び込んでわずか40ミリ秒後には、扁桃体が興奮している。「これはやばいぞ!」と評価したのだ。
その結果、体はとっさに逃避体勢をとる。同時に、心の中に嫌悪感という感情がこみ上げる。それで私たちは「ぎゃっ!」と叫んで飛び退くことになる。
つまり感情とは、扁桃体が下した評価を体に伝えるメッセージ。
命に関わるような大事な判断を伝えているのだ。
そして、ネガティブ感情に支配されるときは、脳が「今生命の危険に脅かされている」と判断しています。したがって、一刻も早く身の安全を確保することが最優先事項になり、そこに全てのエベルギーが回されます。理性的な思考は二の次になります。
元戦略系コンサルタントの山口周さんも同様のことをおっしゃっています。
「嫉妬」がなぜ最悪なのかというと、ものすごく脳のエネルギーを食ってしまうからです。これは自戒を込めて書いていますけど、妬む、恨む、悔む、怒る、悩むは思考の五悪で、これに脳のパワーを取られるとパフォーマンスが大幅に落ちてしまいます。ネガティブ思考の断捨離、大事ですね。
— 山口周 (@shu_yamaguchi) 2019年2月13日
また、別のことに気を取られているということについてですが、
これは単純に脳のメモリが足りていないことが原因です。
パソコンでも、複数の重いタスクを同時にこなしている(例えば動画編集をしながらエクセルを使うなど)と、メモリが足りなくなって処理速度が極端に落ちますよね。
人間の脳も同じです。
たとえば朝から家族と大喧嘩した日などは、その後もふとした瞬間にそのときの会話が頭をよぎってしまい、なかなか目の前のことに集中できなくなりますよね。
しかも、切り替えがうまくいかず引きずってしまうものは、たいてい強い感情を生んでいます。怒りとか不満とかのようなやつですね。
そのため、先述したように脳のリソースが全てそちらに使われてしまい、平常心であれば理解できることもなかなか頭に入ってこなくなります。
感情によって頭の回転が止まります。
なので、いかに感情をコントロールして心の余裕を保つか。ここが、理解力を底上げするうえで重要なポイントになります。
まとめ:話を理解する大前提
今回は、理解できないと感じる10の原因のうち3つ(メンタル編)を取り上げました。
多くの方は、どうしてもロジカルシンキングうんぬんといったテクニック論に目を向けがちですが、
実は
-
思考の偏りに気づく
-
理解しようとする態度をみにつける
-
感情をコントロールする
ことが、話を理解するうえでの大前提となります。
それができて、初めて次の段階に進むことができます。
この3つの原因の解決策はまたおいおいお話できればと思います^u^♪