前向きになれないときは、心を整理する世界一シンプルな方法をやってみよう
みなさんこんにちは。kaakiko(@kaakiko)です。
私は小さいころから、なんとなく人と自分を比べては劣等感を持っているような子供でした。そして、会社に入ってからはより一層、優秀な後輩や先輩を見るたびに、自分の至らなさを痛いほど感じて落ち込んだりしました。
営業で商談が反故になると、上司から厳しく「もっとしっかりやってよ」と言われるのですが、それを聴くたびに自分がほんとうにだめな人間なんだとみじめな気持ちになってしまう。自分が入社以来一度も取ったことない成績やMVPタイトルを後輩がどんどんとっているのをみて、じくじくと心が痛んで素直に喜べない・・・。そのような悩みを抱えていました。そして、自分の心がどんどん萎縮しているので、周囲の社員とのコミュニケーションもうまくとれずに、毎日悩んでいました。
職種を問わず、上記の私のように「なんとなく前向きになれない」と悩まれている方は少なくないと思います。そのような方のためにお勧めしたい本があります。それが下記の「1分間書くだけ 世界一シンプルなこころの整理法」です。
タイトルだけみたら、大変失礼ながら、他の自己啓発本でも聞いたことありそうなタイトルです。
しかし、この本は、本当にタイトル通り「世界一シンプル」な方法を説いています。
一般的な自己啓発本は、「落ち込んだらこう考えたらいいよ」と「考え方を提案する」ケースが多いのですが、この本は、考え方だけで終わるのではなく、徹底的に行動レベルに落としこんでいるところが特徴です。
なので、「頭ではわかってるけど、どうすれば変えられるの?」という、読者の一番知りたい答えに真正面から回答している点で、その他の書籍と一線を画していると私は思います。
今日は、その本から主要なポイントをピックアップしてご紹介しますね。
考えることと悩むことは別
悩むのは、何か問題があっても、どうしたらいいかわからず困っている時です。「どうしたらいいだろう」「こうしてみようか。でも、別の問題もあるし」「簡単には何もできない」ということで立ち往生しがちです。解決しようとしていないというわけではありませんが、いくつかのことが絡んでいるので、解決できるような気がしないのです。
いやなことがあったときに、ふつうに落ち込んでしまうことってよくありますよね。
そういうときは、「どうすればいいんだろう?」と本気で考える気力もなく、ただただ自分が置かれた境遇や、自分のセンス才能のなさに嘆いてしまって、底なしの泥沼にはまってしまいがちです。
頭では、ポジティブに前を向いたほうがいいということは百も承知です。しかし、打ちのめされて無力感や自己嫌悪感でいっぱいになっていると、そもそも解決しようというエネルギーすら湧かなくなるんですよね。。。
人は誰でも悩みます。あれこれ悩みます。(略)ところが、悩んでいる限り、いくら悩んでも、考えはなかなか先に進みませんし、考えが深まることはほとんどないのではないでしょうか。悩むだけのことと、まともに考えて対処することには大きな差があります。ものすごく悩んだとしても、何をやっても無駄だと思って何もしなかったり、今の状態に苦痛を感じているだけだったり、右に行くべきか左に行くべきか逡巡して必要な問題解決が遅れるだけだったりします。考えているつもりで、足踏みしているのが現実ではないでしょうか。
そうです。悩んでいるということは、前に進んでいないのです。そしてそれ以上に、私の経験上、悩んで足踏みするとどんどん空回りしてしまい、心の中が漠然とした焦りや不安でいっぱいになってしまうのです。そういうときは仕事をやっていても何をやっても全然楽しいと思えないのです。
そもそも、「悩むことと考えることの違い」とはいったい何でしょう。私は、考えるとは問題を特定することだと考えます。目の前の表面的な状況の中で悩んだり、愚痴を言ったり、思考停止したりせずに、そこに本質的な問題を見出すことなのです。
私は、この文章を初めて見たとき、衝撃を受けました。書いてあることは一見すごく当たり前のことです。あまり悩まない人が見たら「そりゃそうでしょ」と思うかもしれません。
しかし、「そうか、悩んでいるから問題解決できないんじゃなくて、本質的な問題を見出して解決策を考えられてないから悩んでいるだ!」という因果関係に気づいたとき、私の中で「悩み」に対する見方が180度変わりました。
私たちが悩もうが悩まなかろうが、生きている限り人生は問題だらけです。その問題を感じた時に「悩む」のか「考える」のかは、自由に選択ができる。そして、どちらを選択するかによって、そのあとの感情や行動は大きく変わっていくということを意味しています。
つまり、自分の行動次第で悩みは克服できる、感情的に振り回されることがなくなるということを、このとき私は知りました。
考えて前に進むには、1分間の制約の中で思いつくままに言葉を吐き出す
朝起きてから寝るまでの間、頭に浮かぶこと、モヤモヤすること、気分が悪いこと、こうしようと思うことを全部書き出していきます。しかもA4用紙に一件一葉で、1ページ1分程度で書きます。ノートや手帳、パソコンなどではなく、A4用紙に手書きすることがポイントです。それをするだけで、頭がすっきりして、どんどん言葉がわいて出るようになります。自分の気持ちがはっきりと目に見えるようになり、モヤモヤが驚くほど解消されていきます。私の考えは、人は誰でも本来、頭が大変よいものの、悩んだり考えすぎたりしてそのよさを発揮できないことが多いというものです。頭の中身、気持ちの揺れをA4メモに書き出していくと、あっという間に悩みが大きく減少していきます。
考えるとき、あなたはどのような行動をとっているでしょうか。
ペンをとって、ノートとにらめっこしているうちに、ほとんどなにも書いていないのに数十分経過してしまっていた・・というご経験はありませんか?もしそうであれば、赤羽さんの提唱するA4メモ(別称:ゼロ秒思考メモ)が大変お勧めです。
A4メモの詳しい実践方法は本に書いてありますが、私が思うに、大事なことは以下の通りです。
- 1分間という時間制限をしっかり守って自分を追い込む。1分以上かけない。伸びても+15秒程度にとどめる
- 1行あたり20~30文字くらいの具体性をもって書く(具体的な人名も決して略さずそのまま書く)
- 1枚あたり4~6行くらい(80字~180字/分)のボリュームで書く
どうやら、1分あたり80~180字1分あたり100前後くらいのスピード感が、頭のデトックスにちょうどいいみたいです。なので、このスピードを下回ると、心の中でまだブレーキがかかったままになるので、もやもやは消えません。
【2018.05.23 追記】
赤羽さんより、以下ご指摘をいただきましたので、訂正いたします。
ちなみに、1分に180字は不可能に近いかと思います。「4~6行、各20~30字」は下限80字、上限180字という意味ではなく、もし6行も書けたら最大でも20字がいいところだろうと思います。
なので、通常、100字前後頑張って書きましょう、と言っています。
また、A4メモの応用形として、
- 同じキーワードを使って似たようなタイトルで書きなおしたり(多面的に書く)
- メモで出てきた文章をタイトルにして新しくメモを書く(深堀りして書く)
ことも勧められています。
どちらも、シンプルでありながら、考えを深めるうえでとても有効な手法だと個人的には思います。
ゼロ秒思考メモで、心にたまっていた感情を吐き出してみた
私が人間関係でなやんでいたときにメモ書きしてみると、本当にいろいろと吐き出されてきました。
・自分はいったい何が気に入らないのか
・どうしてこんなにもやもやしているんだろう
・自分は何が一番いやなのか
・どうして○○さんにあんなことを言ってしまったんだろう
・なんでXXは自分をばかにするような態度をとってきたんだろう
・私が理解できなくて混乱していたとき、みんな「なんでわからないの」とばかにするような態度をとってきた
・どうしてXXはあんなに必要以上にハイテンションなんだろう
・XXとはいちいち議論がかみ合っていなくて、何をいいたいのかもよくわからなかった
・もうこの人たちとは一緒にはいられないかもしれない
・でも、ここを離れたら安定した生活までも手放すことになるし
・このまま離れるのも負けたような気になってしまう
・でも一緒にいるのはもう限界かもしれない
・▽▽は上司に媚を売っているのが気持ち悪い
・私に対しては▽▽はすごく態度が悪いのが気に入らない
・私は真面目に誠実に接しているのに、なんで▽▽は私に冷たいのか?
・もしかして、私も失礼な態度をとっているのかも
・▽▽には自分から目を合わせていないし、挨拶もしていない
・仕事を頼む時も、声が冷たい
・他人のことを言う前に、自分が誠実な態度をとれていない。
・どうやったら自分の言動をよりよくできるか?
一部ですが、こんなものが出てきました。重複している部分も多く、だいたい前半のメモ書きは「一人愚痴吐き大会」みたいな感じで、わらわらと心の毒が吐き出されています。ついでに涙も一緒に出ています。とにかく泣きながら書きました。
しかし、注目すべきはメモに書いている内容の、ベクトルの変化です。後半になるにつれて、どんどん「では自分はどうすればいいのか?」「自分にも非があるじゃん」と、素直に現実に向き合えるようになってきています。
自分がどうすべきなのかが自然に見えてきた
このようにがしがしメモを書きまくっていくと、どんどん心の澱が出ていくので、すっと涙が収まってきました。変な宣伝文句ではなく、本当に心が少しずつ軽くなっていきました。
もちろん、問題は相変わらず目の前にあるし、いやな人も消えているわけではないけれども、自分が何に集中すればいいのかが見えてきたんですね。なので、いちいち考えても仕方ないことも見えてきたので、かなり頭の中がクリアになっていきました。
私たちが生きるとき、誰の言葉に最も影響を受けているかというと「自分自身の言葉」です。他人から何を言われようと、自分の心がNOと言っていれば行動は起こりません。私たちが何か行動する時、他人が言った言葉で動いているのではなく、良くも悪くも「自分の心の声」に従って動いています。
世の中には、いろんな自己啓発本があふれかえっていますが、読めば読むほど消化不良になり、食傷気味になりがちです。なぜなら全て正論を述べていて、読むたびに「頭ではわかってるけど、難しそう」と心の中で否定をしてしまいがちだからです。だから、本をいくら読んでも変わっていけないことのほうが多いのです。
なので、メンタルケアという領域においては、本を読み漁って100の考え方を知ろうとするよりも、A4メモ書きを使って自分の心の中を洗いざらい吐き出し、自分としっかり真正面から向き合うことが大事だと思います。
少なくとも私は、メモ書きにより自分自身としっかり対話できるようになりました。
また悩むことは山ほどあると思いますが、そのときもちゃんと乗り越えていけるという自信を持っています。
終りに
人生に悩みはつきものです。仕事内容、職場の人間関係、恋愛、家族のこと、、と挙げればきりがありません。
個人的意見としては、そういう「嵐」のときに心が折れたり落ち込んでしまうことは避けられないと思います。
しかし、いざそうなったときに、どれだけ速く平常心に戻れるのか。その経験が、社会人としての強さにつながっていくと思います。そして、それを可能にしてくれる武器がA4メモ(ゼロ秒思考メモ)だと私は思います。
ぜひ、皆さんも悩んだ時は、1分間で心の中を吐き出してみてくださいね。きっと心がすっきりして元気がわいてくるはず!