ココカラゲンキ!

20代営業ウーマン。仕事スキル、生産性向上、営業・コミュニケーションのコツ、仕事観など役に立つ情報をお届けします。

ココカラゲンキ!

仕事時間を充実させる唯一の鍵は、目の前のタスクに没頭すること

こんにちは。kaakikoです。

 

 

私は今営業の傍ら、新しくリリースするサービスの開発を行っています。

具体的には、特定の分野の能力を身につけるための体系的なトレーニングツールを開発しています。なので、基本はパソコンに向かって資料をせっせと作ることがメインです。

しかし、事務作業ばかりが延々と続くとどうにもやる気が出ず、後回しにしてほかのどうでもいい仕事に手をつけたりと、一日無駄に過ごしたなと思うこともたくさんありました。

 

今日は、「なんとなく仕事が面白くなくて、ついつい手を抜いてしまっている。全力でやりきれていない」という方に対して、どうすれば充実した時間を過ごせるのか述べてみたいと思います。

 

 

手を抜いたときの代償は大きい

そんなある日、開発メンバーで集まってweb講義の全体像についてディスカッションする機会がありました。そのときに、今回のミーティング主催者であり後輩でもある人が、とんでもなく完成度の高い試作品と全体設計図を出してきました。

 

開発スピードが少し遅れ気味だった一同は、それを見て口ぐちに「しゃべりはすごく良い雰囲気だね!」とほめそやしていました。また、全体設計図についても「とても参考になる!」と大絶賛していました。

 

一方私は、そんな彼の熱意に対してすごいなと思いつつも、正直気持ちの中で「負けたな」という敗北感がぬぐえませんでした。

彼が人よりも熱心に、おそらく人よりも時間も労力も注いで作ったからこその完成度だということは頭では分っていましたし、自分もそれくらい熱心にやれば同程度の仕事はできたかもしれないとも思いました。

 

しかし、彼と同じクオリティのものを後出ししても、二番煎じと思われかねません。しかも、私はモチベーションが低かったために、開発スピードが著しく遅れていました。

自分自身が手を抜いていることを知っているからこそ、熱心にやって周囲から称賛されている後輩をみると、鉛を飲み込んだような息苦しさを感じたのです。

 

私が目の前の仕事の手を抜くことで、一番失ったものは「時間」でした。

後輩に大きな差をつけられてしまったと感じた私が、開発スタート時に時間を巻き戻すことは不可能です。そして、今から追い抜こうとすれば、彼の何倍もの労力が必要になります。それでもやっと追いつくかどうか。

時間という目に見えない資産が、最終的には軽く絶望を感じるくらいの落差を生んでしまう。

この経験から私は、時間の密度をどうコントロールするかによって、人生は180度変わることを身にしみて学びました。

 

仕事で手を抜いても、明日明後日で急激に差がつくわけではありません。しかし、毎日の仕事の中で発揮される情熱は、時間とともに蓄積していくと、やがて加速度的に成果を大きくしていきます。そして、いつの間にかとんでもなく高いレベルまで登っていることに気づきます。

逆を言えば、手を抜いた分だけ、後から後悔してもしきれないほど引き離されることになります。

 

充実した時間を過ごす鍵は「没頭没入」

充実した密度の高い時間を過ごすポイントは、やるべきことに没頭することです。

20世紀のアメリカを代表する心理学者、ミハエル・チクセントミハイ博士は、没頭した状態を「フロー状態」と呼んでいます。

フロー状態に入っているとき、「人間の心理的エネルギーはよどみなく連続して、100%その対象に注ぎ込まれるようになり、とてつもない集中と、楽しい感覚が生み出される。

時間の流れを忘れ、ひたすらそのことに没頭し、えもいわれぬ高揚感に包まれる。」

 

これ、すっごい共感できます。

よくゲームやっているときなんかは、気づけば1時間2時間はあっと言う間にすぎますよね。

私も、営業現場でお客様と向き合っているときはあっという間に2時間過ぎるのですが、その時間中は「つらい」とか「どう思われているんだろう」とかのネガティブな感情はいっさいなく、ただただ目の前のお客様にのみ意識が向いています。

お客様をお返ししたあとは、体はぐったりしているのですが、頭は高速回転し続けていて妙にハイテンションになります(笑)。疲れているけど、なんだかポジティブな気分なんですよね。

 

博士曰く、フロー状態の条件は4つあるといいます。これらすべてがかみ合うことによって、フロー状態に入りやすくなることが分っています。

 

①難しすぎず易しすぎない課題に取り組んでいる

まずは「課題の難易度」ですね。易しすぎるものは論外ですが、難しすぎてもかえって自信がくじかれてしまい、フローどころの騒ぎではなくなります。

 

とはいえ、仕事の難易度は自分では選べないことのほうが多いですよね。しかし、少し工夫するだけで、仕事の難易度は全く異なって見えてきます。

 

私がやってみて効果があった工夫は、次のようなものでした。

  • タスクの全体像をリストアップする。ガントチャートを作ってタスク全てを把握することで、「これだけやればいいんだ」と安心しました。これだけでもだいぶ作業の難易度は下がります。
  • タスクを行動でイメージできるレベルに分解する。例えば「教科書1~5まで作る」というタスクを「①教科書1の結論を書く+②具体例を書く+③効果を書く+④注意事項を書く+⑤再度結論を書く」といったように、具体的にイメージできるレベルまで落とし込みます。その結果、「1つ1つの作業内容は意外とだれでもできるもので、実はその集合体にすぎない」ということが見えてきました。
  • タイマーで時間を制限する。例えば「この資料を30分で作る」「このメールを5分で返す」などと、タイマーでカウントダウンしながらやります。ゆっくり1時間かければやれる仕事も、その1/5の約10分に短縮させるとなると急激に難易度が上がります。特に、ラスト1分を切ったときは焦りまくります笑。しかし、それによって生産性は冗談抜きに2倍は上がりました。

なお、タイマーについてはこちらの記事も参考になさってみてください。

 

②自分が行動を変えれば結果はいくらでも変わると考えている

博士の本では「自己統制感がある」という書き方をされているのですが、要は「自分の力でなんとかできる」と考えている状態ですね。

 

問題が起きたときに「相手が悪かった」「自分には才能がない」などと、物事の失敗原因を自分のコントロール範囲外に求めると、強烈な絶望感と無力感にさいなまれます。いくら頑張っても変わらないということを自分で認めてしまってますからね。

 

逆に、失敗原因を「自分の○○の行動量が足りなかった」「××の知識がなかった」というように、行動次第でいくらでも変わる要素をコントロール範囲内におくと、自分を変える余地が見えてきますので、頑張ろうというエネルギーが湧くようになります

 

自己統制感については、小さな目標に挑戦して、自分の工夫で結果を変える経験を積むのがベストです。

例えば、

  • 朝いつもギリギリに起きてしまうところを、15分だけ早起きする。
  • メールをいつも10分かけて返すところを、8分に縮める。
  • いつもよりも大きな声であいさつする。
  • 定食屋でサラダと味噌汁から手をつけ始める。

などです。

 

このようにして、自分の行動によって物事を変えていくことを当たり前にしてしまえば、自己統制感は勝手に養われていきます。

そうなればしめたもの。どんなタスクが来ようとも「何とかなる気がする」と楽観的に構えることができるようになります。

 

③行動したら即座に良し悪しのフィードバックがある

行動に対してすぐ結果が分るというのも重要な要素です。

ポイントは「すぐに」と「達成したどうかが一目瞭然」ということですね。

ゲームなんかはわかりやすいのですが、敵を倒すとHPがすぐ増えたり、その場で新しいアイテムをゲットできたりしますよね。だからみんなハマるんです。仕事も同じです。

 

そのためには、以下の行動がおすすめです。

  • 先輩やチームメンバー、上司をつかまえてディスカッションする。会話すると、自分の話に対して否が応でも即時にフィードバック(リアクション)が返ってきます。なので、詰んだときは積極的に人にしゃべりましょう。ほんの5分でもしゃべっていけば、だんだん頭が整理されていきます。
  • タスクリストを作って、終わったら赤線で線を引いて消す。地味ですが、とんでもなく効果大です。そして赤線というのもポイント。赤は目立ちますので、他の色よりも「やった感」が出ます。また、PCで管理というよりも、ペンを使ってアナログ的に消していくと、ザクッと消える達成感を味わいやすいです。

 

④周囲から入ってくるノイズを遮断できている

ノイズというのは、文字通り物理的な雑音だったり、あとは人から話しかけられたりして集中力が切られる要素のことです。いちいち現実に引き戻されないような仕掛けが重要です。

しかし、社会人になると、職場環境を自分で選ぶことは自営業でもない限り難しいですよね。人から話しかけられたり、電話がかかってきたり、緊急のメールが来たりと、とにかく社会人は忙しい。

 

そこでノイズを遮断する方法としてお勧めなのは、以下のものです。

  • 早朝にタスクを回す。
  • 会議室などの個室に入る。
  • 音楽をかけてイアホンで聴く。
  • 集中タイムを設けて、その間だけは「誰も話しかけるな」というサインを出す。
  • インターネットを切る*1

時間帯を変える、空間を変える、あるいは目や耳から入る知覚情報を変えるの3種類に大きく分類できます。

集中するためには、自分を取り囲む外部環境を整えることも重要になってきます。

 

仕事の面白さも楽しさも、すべては自分の工夫次第

私たちは「楽しい仕事がしたい」「やりがいがもてる仕事に就きたい」といったように、自分を充実感を与えてくれる仕事を求めがちです。

 

しかし、もともと楽しい仕事も、やりがいが最初から感じられるような仕事も世の中には存在しません。アナウンサーなどの一見華やかそうにみえる仕事も、その実態は非常に地道で、時には理不尽なことすらあります。

 

自分を楽しませてくれる仕事を求めるのではなく、自分の工夫によって仕事を楽しいものにしていく。そのプロセスに本気になって没頭する。これが仕事時間を充実させる秘訣です。逆に、つまらないからといって手を抜いたりすると、あとでとんでもなく後悔することになります。

 

その点を意識して仕事に取り組んでいけば、なんとなくやる気が持てなかった仕事にものめり込めるようになります。

 

*1:「ゼロ秒思考」の赤羽氏は、執筆時はインターネット開戦を切っているといいます