「仕事のコミュニケーションを円滑に行う」ことを数学的に考察する
こんにちは。kaakikoです。
仕事でのコミュニケーションでつまずいてしまったご経験はありませんか。
たとえば、
- 上司からの指示を勘違いする
- チームの士気を上げることができない
- 取引先でのアイスブレイクや飲み会での雑談に入れない
- 苦手な先輩がいて萎縮してしまう
など、社会人になると意外にコミュニケーションの問題にぶつかることが多々あります。
コミュニケーションがうまくとれないと、仕事へのモチベーションも下がりますし、結果もなかなか出ないですよね。
先日の会社の朝礼で「人間の価値観はすなわち"評価関数"である」という面白い話を聴いたので、その話を参考に、良好なコミュニケーションをとることについてちょっと数学的に考察してみました。
仕事上でのコミュニケーションで悩んでいる方は是非、立ち直るきっかけにしていただけたらと思います。
その人の価値観は「評価関数」で表せる
価値観とは、自分にとってあるモノが「どの程度相対的に重要なのか」を順位づけるモノサシのことです。そして評価関数は、シンプルに以下のように定義されます。
y=f(x)
価値観=重要度 モノ(評価対象)
私たちはみな無意識のうちに、モノとモノを相対評価して生きています。
例えば、お昼のメニューを考えたときに、あっさりサラダランチとボリュームたっぷりのラーメンセットのどちらが良いのか、天秤にかけている人もいるでしょう。
同じように、
- 仕事と家庭のバランスを考えたときに、どちらのほうが自分にとってより重みがあるのか。
- 仕事のやりがいとして、お金や地位によって評価されたいのか、それとも周囲から感謝されたいのか。
- 働き方でいったら、みんなで楽しく和気藹々と協力しあう方に重きをおくのか、それとも他人に構わず個人プレーで突き抜けることに価値を見出すのか。
私たちは皆、自分の中に独自の評価関数を持っていて、モノ(評価対象)は同じでも、出てくる結論(重要度)は180度異なります。重要度が異なれば、会話は当然かみあいません。
仕事のコミュニケーションで失敗している状態とは、お互いの評価関数がまだ交差していない状態ということです。
したがって、仕事のコミュニケーションを円滑に行うとは、異なる評価関数(価値観)同士の交点を見つけることに他ならないのです。
相手の評価関数とのあいだに補助線を引いて理解する
仕事においては、お互いの評価関数の交点を見つけることが重要だということですが、とはいえ自分自身の価値観そのものである評価関数は、そう簡単には変えられません。
そこで重要になる考え方は「補助線を引く」ということです。
つまり、「そういう価値観を持っているのであれば、確かにそう判断するよね。」と理解を示すことです。(「部分的同調」といいます)
補助線と引くと、あるモノに対して重要性が高いと評価する人とも、逆に重要性が低いと評価する人とも必ず交点を作ることができます。
例えば、以下のような相談があったとします。
今の会社は以前の職場から思うと天国のような場所ですが、
同僚や上司との雑談の価値観が合わないのです。
例えば
・雑談で「オタクはキモイ」という同僚達で盛り上がっていたのですが、オタクの友人が何人かいる私はどうも共感できない。
・以前の上司から比べると、注意もお叱りも的を射ていて、言葉も強くなく、フォローもある素晴らしい上司だが、それでも「厳しい。モラハラだ」と愚痴を言っている同僚に共感できない。
…などです。
大人ですから、多少は雰囲気に合わせて意見を変えますが、そういうことが他にもあまりにも多いので息苦しくて。
出典:価値観の合わない同僚。合わせるのも社会? : キャリア・職場 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
この発言者は、同僚たちと完全に評価関数が合っていない状態です。
しかし、補助線を引くことによって、共感はできなくても理解はできるようになりますし、それによってストレスが格段に減ります。
・雑談で「オタクはキモイ」という同僚達で盛り上がっていたのですが、オタクの友人が何人かいる私はどうも共感できない。
→なぜ彼らは「オタクがキモイ」と思ったのでしょうか。もしかすると、同僚が言う「オタク」と発言者が考える「オタク」は違うものを指している可能性がありますし、彼らは過去にオタクと関わったことで、非常に不快な思いをしたのかもしれません。
もし「オタク」の定義がお互いに全く異なるものだと知ったら、発言者の息苦しさはかなり軽減されていたでしょう。
人は皆評価関数が異なるので、交点がない状態のほうがふつうです。
そのうえで、なぜ自分と同僚の「オタク」に対する判断が異なっているのか、その背景を理解しようとすることが重要です。
それが補助線を引くということです。
まとめ:良好な人間関係を構築するために、補助線をたくさん引いていこう
今回は、コミュニケーションと数学を(半ば無理やり)つなげて考察してみました。
私たちは、もともと持っている評価関数の形が全く異なるうえ、強引に変えることもできません。
さらに仕事になると、仕事内容は選べても仕事仲間は自分の裁量では選べません。
だからこそ、異なる評価関数を持った人と仕事するときに、「あーこの人なんか違うわー無理!」と投げ出すのではなく、一歩立ち止まって補助線を引いてみましょう。
そうすると、共感はできなくても、相手の立場に立って理解することはできるようになります。
その意識をもつだけで、コミュニケーションをこれまでよりも円滑に進めることができるようになります。
お試しあれ~!