ココカラゲンキ!

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正しく努力してる?楽に成長するために知っておきたい2つの人間の習性

こんにちは。kaakikoです。

 

 

成長するために何かに新しく挑戦しようと思っても、「自分には無理かも」としり込みしてしまうことってありますよね。あるいは、なかなかモチベーションが続かなかったり、行動しても何も変わらずやっぱり私には向いてない・・・とプレッシャーを感じて、諦めてしまう人もいるでしょう。

 

成長するためには、歯をくいしばってがむしゃらに努力するのではなく、正しく努力をすることが重要です。

正しい努力とは、「人間の習性に沿った行動」です。地球の引力に逆らって坂道を登るよりも引力に沿って坂道を下るほうが楽なのと同じように、人間の習性に沿うと楽に行動を変えることができます。

逆に、人間の習性に逆らった方法で成長しようとしても、無理を重ねることになるので、結局あまり大きな変化は望めません。

 

どうせ成長するのであれば、楽に成長していきたいですよね。

そこで今回は、なるべく楽に自分を成長させるために、私たちが認識すべき「人間の習性」について、2つお伝えしていきます。

 

 

習性1:人は過去から未来を発想する動物である

自分の未来を考えるときに、「こうなれたらいいなあ」と想像する人は多いかと思います。

しかし、そのときに注意すべきことがあります。

それは、私たち人間の脳は、過去の延長線上で未来を発想する習性があるということです。よほど意識しなければ、過去を超える未来は想像できないし、仮に想像したとしても実際に行動に移す前に、簡単に「無理」だと決めつけてしまうのです。

 

たとえば、

「過去プレゼンテーションで失敗したから、次のプレゼンでも失敗するかもしれない」

「先月は営業成績が振るわなかったので、今月の商談もあまりうまくいかないかも」

「この市場は過去数年間売上が落ちているから、今後も大きな成長は見込めないだろう」

などです。

  

この習性の正体は、私たちの脳がもつ学習機能です。

 

行動分析学では、私たちの行動は、その行動の結果得られる結果(快・不快)によって行動が強化(反復)されたり、弱化(回避)されると言われます。

嫌な経験をすると、その経験が脅威であることを学習します。そして、もう二度と同じ恥ずかしい目に遭いたくないから、次にその経験を避けるようになります。

逆も同じで、楽しい経験をすると、その経験が快であることを脳が学習します。そして、良いもう一度同じ快感を味わいたいと考えて、次もその経験を得たいと考えます。

 

この学習機能のおかげで、私たち人類は外敵から身を守り、火を使うことを覚え、農耕技術や工業を発展させてきました。

 

しかし、その学習機能にはデメリットもあります。

自分に対するセルフイメージも、全て過去に対する認識から作られています。したがって、過去の延長線上に沿った自己認識に説得力を感じてしまい、逆にそこから外れた認識を合理的だと思えないのです。

私たち人間が「合理的に感じる」ことって、意外に不合理で偏見に満ちているんですよね。

 

たとえば、

「私は過去人前で自分の意見を言って笑われた」人は、「自分は口下手だ」と認識し、「自分は話が上手だ」とは思いません。

「過去に人づきあいの場で頻繁に気疲れした経験がある」人は、「自分は人づきあいが下手で、面白くない人間だ」と認識し、「自分は人づきあいが得意で好きな人間だ」と思うこともありません。

 

このような自己に対するネガティブな認識は、冷静に考えると客観的な事実ではない、ということは明白です。

しかし、本人からすれば揺るぎない真実に見えるのです。

 

なぜならば、自分の過去の延長線上から生まれた結論なので、イメージがしやすく非常に筋が通っているように感じるのです。

 逆に、過去に経験したことがないと、イメージが湧かないため納得感をもてません。

これがいわゆる、「頭では分かっているけど、なかなか気持ちが乗らない」という現象です。

 

したがって、成長したいなら、「過去の延長線で考える」発想を一度捨てて、ゼロベースで未来を描くという頭の使い方が必要になります。

よく「行動を変えれば未来が変わる」といいますが、「行動の先に訪れる未来」を想像する脳みそが過去に引っ張られているままでは、行動したところで過去の自分を凌駕することはなかなか難しいでしょう。

 

習性2:人間は、自分にとって「当たり前」だと思う基準に落ち着く

 目の前の仕事を一生懸命頑張ることは社会人として当然ですが、成長という観点でいうと、それだけでは片手落ちです。

単に行動するだけでなく、「自分にとって当たり前と感じる基準をどこに置くか」を決めることが重要です。

なぜならば、私たちは「当たり前だと思うレベルで安定しようとする」動物だからです。

 

私たち人間が置かれる環境は、大きく「ラーニングゾーン」「コンフォートゾーン」「コンフォートゾーン」という3種類に分類できます。

これは、元GEリーダーシップセンターのディレクターで、ミシガン大学ビジネススクール教授のノエル・M・ティシーが提唱した、人材育成・能力開発に関するコンセプトです。

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出典:心理カウンセリング空(https://counselling-sora.com/archives/2659
  • コンフォートゾーンとは、ストレスが小さくて心が安定している環境のことです。たとえば、営業マンの例でいえば、前期の通期成約率が30%だった場合に「自分は成約率30%くらいの営業マンだ」と認識するなどです。このとき、無理に思いこもうとしておらずごくごく自然に発想しているため、心理的葛藤がゼロの状態です。
  • ストレスゾーンは、ストレスがかかっていて心が少し不安定になっている状態です。成約率30%だった営業マンが40%を目指して今よりもちょっと上を見るような状況だと、「なりたいけど出来るかな」と葛藤が生じています。少し苦しくなります。
  • パニックゾーンは、過度なストレスがかかっている状態です。今の自分の技量をはるかに超える仕事をやらされて、1人で空回っているときなどが当てはまります。こうなると、能力が発揮できないばかりかメンタルが崩壊する危険性が高まります。

 

「当たり前」だと感じる基準がすなわち「コンフォートゾーン」です。

 

この3種類の環境は、一般的に「自分を変えるときは、自分のコンフォートゾーンを抜けてラーニングゾーンに挑戦しましょう」という文脈で語られることが多いのですが、

別の見方をすると、コンフォートゾーンに入っていて「当たり前」だと認識している行動は、抵抗も葛藤もなくごく自然に繰り返されるとも言えます。

ちょうど、地球でいうところの引力に相当するようなもので、非常にパワーが大きい。

 したがって、ひとたびコンフォートゾーンから出ると、違和感を感じて元に戻ろうとする習性が働きます

 

たとえば私の場合であれば、「仕事上の報告・連絡・相談は、どんな些細なことでもきっちりやって相手を戸惑わせないようにする」ことを自分のコンフォートゾーン、すなわち「当たり前」の基準においています。

そうすると、他人との小さな連携をごく自然にとれるようになります。

 

休日に出社して一時的に留守番電話を解除するようなときも、他部署の人がいれば、迷惑をかけないように先に口頭で声かけしておこうという発想が思い浮かびます。「どうせ一瞬だから大丈夫だろう」と、何も言わずに勝手に解除することはしません。

なぜならば、相手が知らないところで勝手に解除することは、私にとって非常に違和感に感じるからです。

 

したがって、自分にとってどのレベルをコンフォートゾーンにしたいのかを決めておくことが、成長して自分の未来を創るうえで非常に重要です。

ひとたび脳がコンフォートゾーンだと認識すれば、その行動は苦もなく繰り返されて、簡単に揺らぐことはありません。

その結果、確実になりたい自分に変わることができるのです。

 

まとめ:成長するために知っておきたい人間の習性

成長してなりたい自分になるためには、ただがむしゃらに行動したり、他人の猿まねをするだけでは全く意味がありません。

 

最初にすべきことは、「人間の習性について正しい認識を持つ」ことです。

 

具体的には、

  • 人間は過去の延長線で未来を考えるため、意図的にゼロベースで未来を描く
  • 自分にとっての「当たり前」の基準を決める

ことを実行していきましょう。

 

頭の中が変わることでずいぶんモノの見方が変わりますし、見方が変われば行動も自然と自然と変わっていくことでしょう。

 

参考図書: