ココカラゲンキ!

20代営業ウーマン。仕事スキル、生産性向上、営業・コミュニケーションのコツ、仕事観など役に立つ情報をお届けします。

ココカラゲンキ!

人間関係に疲れた?だったら「気を遣う」から「気を配る」へ方向転換しよう

 

こんにちは。kaakikoです。

 

普段は、ビジネスコミュニケーションを教えるスクールで、営業と講師をしています。

 

人間関係はどこの世界に行っても重要で、円滑な人間関係を構築できる能力があれば、人生勝ち組といっても過言じゃありません。

学歴や年収といった物理的要素以上に、人生の幸福度に直結します。

 

人間関係が長く続かないことが私のコンプレックスだった

これまでの人生で経験したどのコミュニティをとっても、人間関係が長く続かないことが私のコンプレックスでした。

 

はじめは仲良くなるのですが、次第に疎遠になり、最後は自然消滅もしくはケンカ別れをしてしまう、という人生を歩んできました。

お恥ずかしながら、小学校・中学校・高校・大学という約15年間の中で、今もつながっている友人はほとんどいません。

 

そんな私が今やその「人間関係」という分野でご飯を食べているので、人生はいったいどう転ぶかわかりません。

 

自分なりに周囲の人とのかかわり方を見直すうちに、あるコツに気付きました。

それを意図的に実践するうちに、少しずつ自分とタイプが違う人とも人間関係を構築できるようになってきました。

 

そのコツは、ズバリ「気を配る」です。

対義語は「気を遣う」です。

 

はっきり言いましょう。

人間関係に疲れる、つまり他人と衝突してしまう人は、気を配っているのではなく気を遣っています。

 

ギクシャクした人間関係で苦しい思いをしているならば、いますぐ「気を遣う」ではなく「気を配る」へ方向転換すべきです。

 

なんで人間関係に疲れるの?

超絶シンプルです。

 

他人はこちらと異なる価値観をもっており、その人自身の価値観中心に動いています。

なので、めったにこちらの思い通りには動いてくれません

 

それがストレスの元凶です。

 

私たちは、他人に対して無意識に何かを期待します。

「これだけの仕事をしたのだから、ほめてくれるだろう」

「これだけやってあげたのだから、喜んでくれるだろう」

「こんなに正しいことを述べているのだから、きっと納得して動いてくれるだろう」

 

そしてその期待は、その人と接するうちにことごとく打ち砕かれていきます。

「これだけの仕事をしたのに、逆に叱られた」

「これだけやってあげたのに、あんまり喜んでくれなかった」

「自分としては正しいことを述べたはずなのに、バカにされた」

 

期待と現実のギャップを突き付けられ、しかもそれを解消する方法がわからない。

だからとても苦しくて、疲れてしまうのです。

 

気を遣うと余計に距離が生まれる

私たちは、社会に出て自分と異なる価値観(世代、立場)の人に触れていく中で、何度も傷つきます。痛い目をみます。

 

そこで、私たちの脳は「もう二度と傷つきたくない」と考え、優秀な学習機能を働かせます。相手の感情や考えを察するようになります。

 

しかし、相手の考えることはそう簡単には分かりません。

(自分の親ですらも、ツーカーの仲になることって結構難しいですよね!?)

 

その結果生まれる行為が、「気を遣う」です。

 

気を遣っているときは、相手を腫れ物に触るように扱っています

相手が自分に対してネガティブな考えを持っているだろう、と実にネガティブに考え始めます。特に、まだあまり親しくなっていないと感じる人に対しては顕著に、その思考を働かせます。

 

「こんなことを言っても、きっとこの人から面白くないって思われてるんじゃないか」

「こんな資料を作っても、また突っ込まれるんじゃないか」

「今自分は、この目の前のお客さんから『あ、営業してきているぞ』って思われているんじゃないか」

「こんな指導をしても、また反発されるんじゃないか」

 

相手と接して傷つきたくないと強く思っている人は、常に心の奥で最悪のケースを予想し、それに備えようとしています。それはある種、生物のDNAに刻まれた防衛本能といっても過言ではありません。

相手の一挙手一投足を観察し、心理を解釈し、未来を予想し、対策まで講じようとしています。

脳はフル回転です。1秒たりとも余裕がありませんので、めっちゃ疲れます。それがいわゆる気疲れってやつです。

 

しかし、それが仇となって、逆に相手は「この人は、自分に対してよそよそしくしているぞ」と肌感覚で感じ取ってしまうのです。

 

よそよそしい態度をとられたら人はどうなるか?そう、今度は自分も相手に対してよそよそしくなるんです!そしてお互いになんとなくギクシャクし、会話が一瞬で終わったり、ちょっとした行き違いで口論になったり、「あの人は私をバカにしている」という被害妄想を抱いて攻撃的になったりします。その結果、一緒にいることがストレスに感じて自然と距離が生まれます。

 

その起点は相手ではなく、自分自身です。

相手との距離感・よそよそしさ・気疲れする人間関係は、他の何でもなく、すべて自分自身の防衛本能が生んだものである、と私は気づきました。

 

では、どうすべきか?

 

気を配りましょう。

 

自身の限界を認め、気を配ることで距離が縮まる

気配りとは、

「今の自分の限界を認めながらも、今できる精一杯のことをして相手に役立つ行為」

だと思います(長くてすいません)。

 

スタート地点は「自分の限界を認める」ことです。

 

「自分はあまり知識がないから…」

「自分はあまり面白い話ができないから…」

「自分はデブで不格好だから…」

「自分はあまり営業成果が上がっていないから…」

 

自分をよく見せたいと思えば思うほど、人には知られたくないコンプレックスが気になって気になって仕方なくなりますよね。

私たち人間は、面白いことに防衛本能を働かせるとさらに傷つくというパラドックスを孕んでいます。

 

だったら、そんな防衛本能は捨てましょう。

 

相手に対する期待はどうしても持ってしまいますので、それはデフォルトとして考えてOKです。

 

しかし、もし期待外れだったとしてもいい。

そういう前提をもちましょう。

 

今頭の回転が良くないと思っていてもいいんです。

➡︎相手に教えてもらえばいいんです!ついでに仲良くなれます。

 

面白い話ができなくてもいいじゃないですか。

相手の話をふんふん興味深く聞けばいいんです!人は、相手の話を聞くよりも自分の話をすることが大好きですからね。興味をもって聞いてくれる人には間違いなく好感をもちます。

 

デブで不格好でもいいじゃないですか。

身なりを清潔にすればいいんです!ついでに、相手にファッションのアドバイスをもらうことで、会話のきっかけを作れますよ。

(ちなみに女性は、イケメンだけど不潔な人よりも、ブサメンだけど清潔感たっぷりの人のほうに100倍好感を持ちます)

 

営業成果が上がっていなくてもいいんです。

相手の良さをみつけて、片っ端からパクりまくりましょう。「成果が上がっていない」という負い目を感じているときこそ、既にできている相手から盗むタイミングです。

(ちなみに、人の良いところを見れる人は、組織運営が上手くなります*1。 )

 

私の周りで「気が利く」と思われている後輩は、「だれがやってもいい仕事」「先輩の仕事」も積極的に手伝って、小さなところで貢献しようとしています。

 うちの会社では、講義に来られた受講生の受付をチーム交代制で担当するのですが、先日の日曜日はたまたま私のチームの人がほとんど出払っていて、私が受付を行う予定になっていました。

しかし、ちょうど別の受講生の対応が長引いていて、予定よりも5分ほど遅れて受付に来たのですが、そのとき彼は、だれにも頼まれていないのに受付をやってくれていたのです。

 

そして「あ、私やるからもう大丈夫よ」と言ったら、彼は

「あ、そうですか。すみません、お願いします」と申し訳なさそうな顔で返してきたんですね。

 

あれ、彼は「僕が受付をやる」という意識になっていたのか....?!とその時私は感じました。

 

相手に貢献したり役に立つ上で、高尚な能力は必ずしも必要ではありません。あるに越したことはないですが、今の自分でもできることはたくさんあるのです。

 

今の自分の限界値を認めたうえで、それでも「何かできることはないかな」と探す。

こういった気配りが、人間関係をストレスフリーで良好にする秘訣です。

 

せっかく気を配ったのに、相手が思うように喜んでくれなかったらどうしよう…

いえいえ、その発想は必要ナシです。

想定外の反応を返されて失敗したら「ごめん~テヘペロ☆♪」の一言で片づけてください。

で、糧にして成長していきましょう。

 

傷つきたくないという防衛本能を捨てましょう。

 

正直なところ、相手の考えていることは結果論でしか分かりません。相手との価値観の差は埋められませんし、埋める必要もありません。

相違がある限りは、防衛本能を働かせようと働かせまいと関係なく、失敗するときはするんです。

 

なので、 相手の反応がどうであろうとかまわず、こちらは相手にできる最善を尽くしましょう。

 

私も営業では、初対面のお客様に対して丁寧語に加えて、あえて「〇〇さん、それ本当ですかぁ~・o・めっちゃ面白いですね!!^◇^」とフランクな言葉を混ぜています。

もし「〇〇さん、それは本当ですか。とても面白いと感じます」なんて堅苦しく言ったら、それこそ「営業」されているように感じるでしょう。

一歩間違えると馴れ馴れしく思われて不快感を与えかねないのですが、それを気にしすぎていると逆効果になります。

 

ストレスフリーな人生の第1歩は「小さな気配り」

 この記事は、他の誰でもなく、かつての自分に言ってやりたい内容です。

 

ざっと挙げただけでも、人間関係をストレスフリーにする行為はたくさんあります。

  • 「朝、元気よく挨拶する」
  • 「笑顔で相手の話を聞く」
  • 「相手と目を合わせる」
  • 「自分から話しかける」
  • 「相手の良いところを見つける」
  • 「相手の話に興味を持つ」

相手に対する気配りは、小さな行為で十分です。

小さな気配りの重要性を小学生のうちから知っていれば、きっと私の人生は変わっていたと思います(もちろん今の環境にも非常に感謝しているので、自分の過去に対して後悔はしていませんが)。

 

アドラー心理学によれば、「人生におけるストレスの9割は対人関係から生ずる」そうです。

 

なので、自分の限界値を受け入れたうえで気配りを日々実行することによって、今日から死ぬまでの何十年かは、今よりも100倍ストレスフリーになることでしょう。

ぜひ、毎日意図的に実行してみてくださいね!

 

*1:ドラッカー経営者の条件にて「他人の短所が目につきすぎる人は、経営者には向いていない。長所を効果的に発揮させるのが自分の仕事だと考える人が、有能な経営者になれる」と言っています。